うちの子、牛乳しか飲まないけど幼稚園で大丈夫かな?
検診では1日の牛乳の量を聞かれるし・・・飲みすぎは良くないの?
このような悩みをお持ちの方、いらっしゃいませんか?
牛乳は栄養価の高い飲み物ですが、1日許容量の範囲で飲むことが薦められています。
しかし、お子さんが牛乳しか飲んでくれず、困っている保護者の方もいることでしょう。
今回は、以下の内容を解説します。
- 牛乳を飲みすぎるとなぜダメなのか
- よく言われる「牛乳が飲みすぎで起こること」の内容とその真実
- 3歳児に麦茶を飲ませる方法
次女がまさに牛乳しか飲まず・・・、3歳になりたての頃の経験談をもとに執筆しています。
薬剤師ママが送るこの記事が、牛乳大好きっ子のママのお悩み解決の助けになれば嬉しいです。
3歳が牛乳を飲みすぎると食事のバランスが崩れることが問題
牛乳飲みすぎの一番の問題は
食事のバランスが崩れること
です。
3-5歳に推奨される1日の牛乳量は200ml(コップ1杯)です。
牛乳は栄養価の高い飲み物ですが、成長に必要な全ての栄養素を含む「完全栄養食」ではありません。
赤ちゃんへの栄養がすべて入ってる『母乳』との大きな違いですね。
しかし、牛乳はお腹にたまるため、食事が進まなくなり栄養バランスが崩れることが問題なのです。
牛乳に含まれる鉄分は非常に少なく吸収率も悪いため、食事から鉄分をしっかりとる必要があります。
牛乳に含まれるカルシウムが、鉄分の吸収をさまたげると聞いたんだけど・・・
確かに、カルシウムは鉄分の吸収・摂取率を下げる可能性はあります。
しかし、海外の研究では、バランスの取れた食事によってカルシウムによる鉄分の吸収阻害作用は弱くなると言われています。
しっかりとバランスの取れた食事をとれていれば、そこまで心配はないでしょう。
栄養バランスの取れた食事をしっかりと取ることが大切です
幼児の牛乳の飲みすぎで起こると言われるもの
この章では、牛乳の飲みすぎで起こると言われる、以下の3つの噂を検証します。
- 牛乳貧血
- 牛乳には女性ホルモンが含まれる
- 牛乳の飲みすぎで太る
どれも、子どもを持つ親としては気になりますよね。
一緒に見ていきましょう。
牛乳貧血になる
牛乳貧血とは「牛乳の飲みすぎによる鉄欠乏性貧血と低タンパク血症」です。
1歳代の子どもが1日1Lほどの牛乳を飲み続けたことで、高度な鉄欠乏性貧血になった例があります。
・1歳11か月の女の子 全身のむくみ 1日800-1000ml 9か月ごろから
・1歳2か月の女の子 病院で貧血を指摘される 1日1500ml 6か月ごろから
どちらの子も、鉄欠乏性貧血と低タンパク血症を発症。鉄剤と食事療法によって改善したと報告されています。
この事例では、以下の原因から貧血が起こったと分析されています。
- 各栄養の摂取不足
- 栄養の吸収阻害
- 消化管からの栄養漏れ
- 個人差
どちらのお子さんも命に係わることにはならず、鉄分の補給と食事によって改善したのはホッとしますね。
栄養バランスの取れた食事の大切さを実感できます。
牛乳には女性ホルモン作用がある
牛乳は、妊娠・出産後の母牛の母乳から作られるため、「牛乳には女性ホルモンが含まれ、過剰摂取でホルモン的な影響が出る」という噂もあります。
しかし、この噂も特に気にすることはありません。
内閣府の「食品安全委員会」のサイト内では、このように書かれています。
Q9.摂取する乳のホルモン量により健康に対するリスクは懸念されるのか?
A9. 乳(ヨーグルトを含む)一日200-250g摂取により摂取されるホルモン量はヒトが体内でホルモンを自己合成するよりかなり低いとされている。またホルモンは非常に速やかに代謝される。入手可能な科学的データによれば、現在はいかなる健康リスクも想定されない。
内閣府「食品安全委員会」
また、現在までに報告されたホルモンによる健康被害もありません。
女性ホルモンは男性・女性に関わらずどちらも体内で作られるので、代謝されるまでの微量のホルモンの害も心配ないでしょう。
牛乳の飲みすぎで太る
麦茶や水の代わりに牛乳を飲み、太ってしまう可能性はあります。
麦茶や水のカロリーはほとんどありませんが牛乳にはカロリーがあるため、食事に追加して牛乳を飲んでいるとカロリーオーバーになる可能性があるからです。
筆者の自宅にある牛乳はこちらです。
コップ1杯(200ml)の牛乳のカロリーは135kcal。牛乳を飲む量によりますが、たくさん飲めばそれだけカロリーは摂取してしまいます。
3~5歳が1日に必要とするエネルギー量は
男の子:1300kcal
女の子:1250kcal
です。
また、体重15kgの子どもが1日に必要な水分は、1250ml(食事からの水分含む)です。
もし1日600mlの牛乳を飲んでいると、1日200mlの牛乳+400mlの麦茶を飲む子供よりも摂取カロリーは270kcal多くなります。
270kcalは、ごはんお茶碗2杯分。結構ありますね。
身体を動かす量にもよりますが、お子さんが少しふっくらする可能性は否定できないでしょう。
子ども用コップには200mlも入らない
「牛乳の1日の適量はコップ1杯」と言われると、飲みすぎが不安になりますよね。
筆者の家で使っている某100均のコップに入る牛乳を計ってみたところ、コップ1杯は100mlでした。
コップ1杯を自動的に200mlと考えると、大きな計算違いにつながります。
一度、コップに入る牛乳の量を確認するのはいかがでしょうか。
3歳児に麦茶を飲ませる方法
本当は、牛乳じゃなくて麦茶やお水で水分を摂ってほしい・・・
幼稚園や小学校では、牛乳を飲めるのは給食だけです。
水筒に入れられるものは、水かお茶類、スポーツドリンクに限られることが多いため、お茶類の水分摂取に慣れておきたいところ。
ここからは、我が家が実践した「牛乳ラブな3歳児に麦茶を飲ませる方法」をご紹介します。
煮出しでなくペットボトルの麦茶を試す
家庭用の麦茶は、鍋ややかんで煮出すor水だしの麦茶が普通ですよね。
しかし、同じ銘柄でもティーパックを煮出すのとペットボトルでは少し味が違うんです。
また、ペットボトルの銘柄によっても味が違うため、お子さんの好みの麦茶を探してみるのがおすすめです。
スーパーやコンビニで麦茶を一緒に選ぶと、自分で選んだという達成感と楽しさで飲んでくれることも・・・(実話)
乾杯をしてスペシャル感を出す
こちらは定番ですが、「乾杯」作戦です。
1つのピッチャーや入れ物から、麦茶を子どもの目の前でママと子どものコップに注ぎます。
そして、
かんぱーい!!!
何なら、こぼれるのを覚悟して子どもに注がせるのも◎です。
ちょっとしたパーティー・スペシャル感が子ども心をくすぐります。
食事の時は麦茶!と決めてそれ以外は牛乳を飲ませる
乾杯も、毎回やるのは正直しんどいもの。
少しお話が通じるタイプなら、「ごはんの時は麦茶、それ以外は牛乳もOK」などとルールを決めましょう。
少しずつ麦茶に慣れることで、色々なものを飲めるようになりますよ
まとめ
牛乳の飲みすぎを心配する場合は、以下の点を確認してみましょう。
・牛乳の飲みすぎで、食事がおろそかになっていないか
・子供の状態が元気いっぱいか
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