メニエール病

メニエール病は、強いめまいや耳鳴り、難聴などが突然起こる病気です。30代以上の女性に多く、近年は高齢化にともない、60歳以上の方にも増えています。[1]

めまいの発作は不定期に繰り返し起こるため「いつめまいが起こるかわからない」と、不安に思う患者さんは少なくありません。

実は、めまいは原因ごとに「メニエール病」「良性発作性頭位めまい」「中枢性めまい」などがあり、症状ごとに治療法は異なります。

今回はメニエール病について、症状や原因、治療法などを解説します。

目次

メニエール病とは

メニエール病は、耳鳴りや難聴と一緒にめまいの発作が10分から数時間続く病気です。

めまいは80%ほどがぐるぐるとした「回転性めまい」ですが、ふわふわとした「浮動性めまい」が出る人もいます。メニエール病のおもな症状は、以下のとおりです。[1]

症状概要
めまい(約80%が回転性めまい)・寝ている以外何もできないような強いめまいが起こる
・立つ、歩くなどが困難になったり吐き気が出たりする
難聴・最初は低音域が、めまい発作を繰り返すと高音域までの幅広い音が聞こえにくくなる
・めまいに連動してあらわれ、発作がおさまると軽減する
耳鳴り・音が鳴っていないのに「ジー」「キーン」などの音を感じる
・難聴はなく、耳鳴りのみが出るケースもある
耳閉感・飛行機の離着陸時に感じるような、耳の詰まりや圧迫感が出る

めまいだけ、めまいと難聴の両方が出るなど、症状には個人差があります。ただし、意識を失う、手足がしびれるなどの症状はメニエール病では起こらないため、脳外科の受診が必要です。症状が強くて危険と感じる場合は、救急車を検討しましょう。[2]

メニエール病は進行すると発作の回数が増えたり難聴がひどくなったりするため、早めの治療が大切です。

メニエール病の原因

引用:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会ホームページより [3]

メニエール病の原因は「内耳」に流れるリンパ液(内リンパ)が増加して「内リンパ水腫(すいしゅ)」となり、内耳の圧力が高まってむくむことです。上の図のとおり、内耳は鼓膜の内側「中耳」のさらに奥にあり、平衡感覚や聴覚などに関わる器官です。

「なぜ耳の奥のリンパ液が増えるのか」という根本的な原因は、解明されていません。

しかし、今までの研究により、以下はメニエール病の発作を引き起こす要因とわかっています。[1]

  • 過労(肉体的疲労)
  • ストレス(精神的疲労)
  • 睡眠不足
  • 悪天候や気圧の変化

また、一部のメニエール病には遺伝的素因もあるといわれています。[4]

体調不良は発作を起こしやすいため、十分な睡眠や休息、栄養を取るように心がけましょう。

メニエール病の治療

メニエール病の治療は、出ているめまい発作を抑え、発作をできるだけ起こりにくくすることです。

発作を抑える治療

めまいや耳鳴りなどが出ているときは、を使ってメニエール病の発作を抑えます。

代表的な薬と、おもな効果は以下のとおりです。[5][6][7][8]

分類薬の効果代表的な薬
抗めまい薬・血流の増加や神経の調節効果などによりめまいを改善する・ジフェニドール
・ベタヒスチン
・アデノシン三リン酸
抗ヒスタミン薬・めまいや吐き気を抑える・ジフェンヒドラミン

めまいがひどい場合は、病院で炭酸水素ナトリウムや吐き気止めを点滴するケースもあります。[1]

発作を予防する治療

めまい発作を繰り返すと症状が重くなりやすいため、症状が落ち着いているときに、発作を予防するための治療を行います。[1]

おもな方法
薬物療法・利尿剤(基本の治療:内耳にたまったリンパ液を減らす)
・抗めまい薬
・ビタミンB12
・漢方薬
生活指導・ストレスをできるだけ回避する
・適度に運動する
・十分な睡眠を取る
手術など・内耳加圧治療
・内リンパ嚢(のう)開放術
・選択的前庭(ぜんてい)機能破壊術

症状によって適した治療が異なるため、気になる点は医師に相談しましょう。

メニエール病のことなら〇〇クリニックへ相談を

メニエール病は、強いめまいや難聴の発作が起こる病気です。原因は内耳の奥がリンパ液(内リンパ腫)によってむくむことであり、発作はストレスや疲れ、睡眠不足などによって起こります。

発作を繰り返すと、徐々にめまいがひどくなったり耳の聞こえが悪くなったりするため、早めに耳鼻科を受診しましょう。

〇〇クリニックは、メニエール病を含むめまいの治療を行っています。気になる症状がある方は、いつでも気軽にご相談ください。

画像引用

[3]日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会.“めまい・平衡覚・顔面神経”.2023.1.25.(2024.11.06)参考文献

[1]日本めまい平衡医学会“メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年度版”(2024.11.06).

[2]日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会.“めまい・顔面神経麻痺”.2022.12.14.(2024.11.06).

[4]土井 勝美“メニエール病の発症機序―遺伝的素因―”. Equilibrium Res. 2008. Vol.67(3). 222~227

[5]独立行政法人 医薬品医療機器総合機構“セファドール錠25mg添付文書”.(202411.06).

[6]独立行政法人 医薬品医療機器総合機構.“ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg「トーワ」/ベタヒスチンメシル酸塩錠12mg「トーワ」 添付文書”.(2024.11.06).

[7]独立行政法人 医薬品医療機器総合機構.“アデホスコーワ顆粒10%添付文書”.(2024.11.06).

[8]独立行政法人 医薬品医療機器総合機構.“トラベルミン配合錠添付文書”.(2024.11.06).

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この記事を書いた人

調剤薬局に9年勤務した経験をもとに、医療・健康ジャンルで執筆しているWebライター兼ディレクター。

論文やガイドラインをもとにした正確な内容を、論理的に分かりやすく伝えるのが得意。

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